キャリア採用

プロジェクトストーリー:バーチャルデビット・スマホタッチ決済対応

02
Project story

アプリでの決済機能を進化させる
「バーチャルデビット・スマホタッチ決済対応プロジェクト」

当社では、銀行取引はアプリ利用が中心となることを見越して、2016年頃からアプリ「住信SBIネット銀行」をはじめとしたアプリ改善に取り組んでまいりました。振込や残高照会だけでなく、ほぼすべてのお取引がアプリ上で完結する「フルバンキング」、セキュアかつ利便性の高いFIDO認証を採用した「スマート認証NEO」、カードレスでATMが利用できる「アプリでATM」など、お客さまの声にお応えし続けてきたことで、7割以上のお客さまがアプリから銀行取引をご利用いただくようになりました。
一方で、アプリの進化とともにスマホのデビットサービスをタッチ決済に対応して欲しいというご要望をいただくことが増えていました。デビットサービスがバーチャルカードとスマホタッチ決済に対応すれば、お支払いもアプリで完結できる”最強”の銀行になれるのではないか。そういった思いからこのプロジェクトはスタートしました。

プロジェクトメンバー

  • デザイナーS.E

    サービスデザイン・UI設計・デザインワーク全般のディレクションを担当。

  • デジタルバンク企画Y.A

    企画・管理部門として、ブランドとの調整や商品性向上、マーケティングプラン策定を担当。

  • エンジニアN.Y

    システム開発のプロジェクトリーダー。プロジェクト計画や開発スケジュールの作成、各種システムの開発の取りまとめや予算管理、外部提携先との調整や課題管理などを行う。

  • デザイナーN.Y

    バーチャルカード券面、リアルカード券面、封入物、デビット商品ページのアートディレクションを担当。

プロジェクト参画にあたっての想い

このプロジェクトにはバーチャルデビットとスマホタッチ決済という2つの大きなテーマがありました。アサインされたときは、どのようなお気持ちでしたか。

S.E(デザイナー)

私自身がこのサービスが欲しかったので、とても嬉しかったですね。もし自分が使うとしたらこうあって欲しいという思いがずっとあったので、それらをかたちにしていこうと思いました。

Y.A(デジタルバンク企画)

私は2021年の春にデビットカードの担当となったばかりのときに、このプロジェクトのメンバーにも加わることになりました。
デビットカードの商品性知識も十分ではない中、プロジェクトが進むたびにお客さまや関連システム、業務影響への考慮が欠けているのではないかと毎日が不安でした。しかし、日本で誰も取り組んだことのないプロジェクトメンバーの一員として携わるこの経験はとても貴重なものですし、自分自身が大きく成長できるきっかけとなるという思いでプロジェクトに挑みました。

N.Y(エンジニア)

当社でもここまで大規模なプロジェクトは珍しく、アサインされたときはちょっと不安でした。
ただ、身近で使っているApple PayやGoogle Payがどのような仕組みで動いているのかとても興味があり、その開発に携われるのは結構楽しみでしたね。

N.Y(デザイナー)

もともとカードを刷新したいという思いがあったため、このプロジェクトと合わせてリアルカードを含め刷新するチャンスが得られたことで意気込んで取り組みました。スマホのWallet画面やGoogle Pay画面は、いまや財布と同程度か、それ以上によく見るものとなっています。普段目にするものだからこそ、『お客さまが使いたくなる、使っていて心地いい、魅力的なカードにする』ことを目指していこうと思いました。

プロジェクトが始まって見えてきたもの

実際にプロジェクトがスタートしてからはいかがでしたか。

Y.A(デジタルバンク企画)

どういった角度からアプローチするのか、顧客の画面はどのようなものがよいのか、といったことを模索し続ける必要がありました。WEB画面を作成して、担当者同士では完成したように思えても、他のメンバーからはたくさんの指摘を受けることがよくありました。
自分自身がそのプロジェクトに関わり、理解が深くなればなるほど顧客視点から遠くなってしまっていることに気付き、何度も作り直しました。自分自身が理想とするかっこいいものやサービスがお客さまにとっても同じとは限らないということを痛感しました。

そのあたりはどう克服されましたか?

いろんな他社のサービスを利用しながら、ユーザーにとってはどういった導線だとわかりやすいのか、どういった情報がここで必要なのかをひたすら考えました。次第にいろんなユーザーにとってのニーズがわかるようになってきて、アイディアに落とし込めるようになりました。

UI設計面でも難しい点があったのではないでしょうか。

S.E(デザイナー)

iOSとAndroidのタッチ決済の仕組みやレギュレーションの違いで、画面の出し分けを工夫しなければならなかったり、複数のシステムを使ってできているサービスなので、それぞれの制約をクリアできるようなUIフローを作るのが難しかったですね。また、これを踏まえてやっとできたフローが、今度はアプリ公開にかかる審査で指摘をいただいてしまったりして苦労しました。

開発面ではいかがでしたか。

N.Y(エンジニア)

今回のプロジェクトの特徴として外部ベンダー(Mastercard、Apple、Google)との関わりが多く、当社のコントロール外のイレギュラーな問題が発生し開発が滞ることがありました。当社のシステムベンダーと協力し、一つ一つのフローを地道に確認することで原因を特定することができ、何とかテストを進めることができました。

Y.Aさんは最年少メンバーだったそうですね。

Y.A(デジタルバンク企画)

はい、若手としての意見をとても大事にしてもらえました。「若手であるから」「担当歴が浅いから」などは全く関係なく、プロジェクトの一員としてタスクを任せてもらい、そしていろいろと応援してくれたプロジェクトのメンバーにはとても感謝しています。

自分たちで創り上げたサービスへの想い

バーチャルデビットは2022年3月にリリースされました。その後の反響はいかがですか。

S.E(デザイナー)

デビットの利用も大きく伸びたこと、プラチナカードへの切り替えもかなり増えているので、取り組みとしての意義はあったと思っています。それと、リリースしてすぐTwitterなどでお客さまから喜びの声をいただいたりしてとても嬉しかったですね。

N.Y(デザイナー)

プラチナのモバイル保険などは今回のプロジェクト以前からあった商品性ですが、このプロジェクトのリリース、券面リニューアルをきっかけにサービスの内容もアピールすることができ、さまざまなかたにカードを知っていただくことができました。モバイル決済機能があるからこそお客さまが使うカードの選択肢には入れたと思っています。

Y.A(デジタルバンク企画)

プロジェクト開始前から、「モバイル決済機能」のご要望は多くのお客さまよりいただいておりましたが、スマートフォンひとつを手にして外出し、食事やショッピング、公共交通機関の利用までできるのは今や当たり前のこととなってきています。サービス提供前はデビットカードを使ってもらうには、プラスチックのカードを一緒に持ち歩いてもらうしかなく、利便性に欠けていましたが、サービス開始後は、コンビニや自動販売機など生活の身近な場面でデビットカードを選んでもらえるようになりました。スマートフォンの中にデビットカードを登録いただけるので、よりお客さまの「生活の一部」として溶け込むことができたように感じています。

これで、アプリであらゆることができるようになったということですよね。

N.Y(デザイナー)

そうですね。アプリを使ってATMの入出金ができる「アプリでATM」というサービスもありますので、今回の対応でスマホ一台あればすべての銀行取引ができるようになりました。口座開設してすぐにデビットカードが利用できるようになり、銀行口座にお金さえ入れておけばお財布を持たずに生活ができるようなり、QOLが大幅に向上したと思います。

プロジェクトを通じて見えてきたもの

このプロジェクトを経験する前と比べて、ご自身で何か変わったと感じられる点はありますか。今後の展望も含めてお聞かせください。

S.E(デザイナー)

デビットやタッチ決済まわりの仕さまに触れたことで、今後できることのイメージが広がったように思います。まだまだ進化の過程にあると思っているので、お客さまの期待に応えるのはもちろん、まだ誰も思いついていないようなことまでチャレンジしたいと考えるようになりました。

N.Y(エンジニア)

かなり大規模な案件でしたが、周りの協力もあり、何とか最後までやり遂げられたことは自信にもつながりました。 決済サービスについては日々新しいサービスが登場していて、常に情報をアップデートしていく必要がある分野でもあるので、とてもやりがいを感じています。決済という身近なサービスなだけに、より便利で使い勝手の良いサービスが提供できるような開発をしていきたいなと思いました。

N.Y(デザイナー)

バーチャル機能が充実することで、逆にリアルカードを持ち歩くことに対してプレミアム感を持ってもらえることがお客さまの反響でわかりました。バーチャルとリアルのそれぞれの役割と良さがあると思うので、リアルカードのデザイン改善は今後も続けていきたいと思います。今回私はあまりUIに携わらなかったのですが、カード画面のUIやサービスは今後大きな展開があるところなので、今後の重点施策として取り組んでいきたいです。

Y.A(デジタルバンク企画)

こうしたプロジェクトは初めてでしたが、「こんな風にサービスを改善したい」「ここの導線を修正したい」など、ほんの僅かな変更に見えても、実現するまでの裏側には、想像を遥かに超える担当者の努力が隠れているんだな、ということに気付きました。
「どうあれば便利なのか、使いたいと思ってもらえるのか」を常にユーザーの視点に立って考えることを忘れず、今後もデビットカードの商品性向上に取り組んでいきたいです。
またモバイル決済をアプローチの起点として、若年層へデビットカードを普及させ、デビットカードを入口として他商品への架け橋となり、当社をメインバンクとして利用してもらえるような流れを作っていきたいです。

「バーチャルデビット・スマホタッチ決済対応」について

バーチャルカード、スマホタッチ決済自体は珍しいサービスではありませんが、当社の場合はナンバーレスカードを導入していることや、バーチャルカード機能がアプリ「住信SBIネット銀行」における「スマート認証NEO」で保護されていることから、セキュリティレベルが非常に高いと考えています。
加えて、残高やご利用明細を生体認証のみでアプリ内で見ることができる点、「目的別口座」など資金を仕分ける機能が充実している点より、「使ってよいお金だけを代表口座に残してあとは貯金口座に移動する」といった使い方が可能です。また、当社のスマホタッチ決済はマスターカードのコンタクトレスに対応しているため、海外でも幅広くお使いいただけます。

  • Appleは、米国およびその他の国で登録されたApple Inc.の商標です。
  • Google Pay は Google LLC の商標です。