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住宅ローン控除が変更される。2022年度税制改正を要チェック!

住宅ローンを利用して住宅を購入した場合に、要件を満たすことで税金が軽減される制度を「住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)制度」といいます。

住宅ローン減税を適用するためには、条件を満たして定められた手続きを行う必要があります。
今回の記事では、2024年度の税制改正を踏まえた住宅ローン減税制度の内容や、手続き方法、住宅ローン減税を受けるための条件などを詳しく解説します。


目次

  1. 住宅ローン減税とは
  2. 【2024年最新】令和6年度税制改正の変更内容について
  3. 住宅ローン減税を受けるための条件
  4. 住宅ローン減税のための手続きと必要書類は?
  5. まとめ

住宅ローン減税とは

住宅ローン減税は、毎年12月末日の住宅ローンの残高と住宅を取得した対価のいずれか少ない金額をもとに計算し、その金額が所得税から直接控除される税額控除のひとつです。本来納めるべき所得税の金額から直接差し引く(控除する)ことができることから「住宅ローン減税」や「住宅ローン控除」などと呼ばれています。

最大13年間にわたって年末時点の住宅ローン残高の0.7%にあたる部分を所得税から差し引けて、控除しきれない部分は住民税からも控除できます。


【2024年最新】令和6年度税制改正の変更内容について

もともと、令和4年度の税制改正によって、令和6年からは住宅ローン減税を受けられる借入限度額が引き下がる予定となっていました。しかし、住宅価格の上昇や子育て世帯への支援強化の必要性の高まりなどを背景として、2024年の税制改正では住宅ローン減税の内容が一部変更されました。

【令和6年度の税制改正の主な変更内容】

  • 子育て世帯や若者夫婦世帯における借入限度額の引き下げ見送り
  • 新築住宅の床面積要件の緩和措置の延長
  • 住宅取得等資金にかかる贈与税の非課税措置の延長
  • 既存住宅のリフォームに係る所得税の特例措置

子育て世帯・若者夫婦世帯における借入限度額の引き下げ見送り

まず、変更点としては「子育て世帯・若者夫婦世帯における借入限度額の引き下げ見送り」が挙げられます。令和6年に子育て世帯・若者夫婦世帯が一定の基準を満たす新築住宅等に入居する場合は、令和5年までの控除水準がそのまま維持されることとなりました。

なお、子育て世帯・若者夫婦世帯とは「19歳未満の子を有する世帯」または「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」を指します。
これによって、子供がいる世帯や若い夫婦の世帯であっても、住宅を購入しやすくなったと言えるでしょう。


新築住宅の床面積要件の緩和措置の延長

令和6年度の税制改正では、床面積要件の緩和措置も延長されました。これは、合計所得金額1,000万円以下の方が新築住宅に入居する場合に限り、床面積の要件を40㎡に緩和するという措置のことです。

本来、令和5年末でこの措置は終了する予定でしたが、令和6年末まで延長されることとなりました。なお、令和7年についても令和6年と同様の方向性で検討されています。


そのほかの変更点

そのほか、住宅ローンに関係する税制上の変更点としては、「住宅取得等資金にかかる贈与税の非課税措置の延長」や「既存住宅のリフォームに係る所得税の特例措置」などが挙げられます。

住宅取得等資金にかかる贈与税の非課税措置の延長は、住宅取得を目的とした贈与を行いやすくすることで、住宅取得にかかる負担を軽減しつつ良質な住宅の普及を促進する狙いがあります。今回の税制改正によって、令和6年1月1日〜令和8年12月31日までは、下記の非課税限度額が適用されることとなりました。

質の高い住宅 一般住宅
1,000万円 500万円

また、既存住宅のリフォームに係る所得税の特例措置は、現行の措置を2年延長するとともに、子育て世帯が子育てに対応した住宅へのリフォームを行う場合に、標準的な工事費用相当額の10%等を所得税から控除するというものです。
子育てに対応した住宅へのリフォームとしては、転落防止の手すりの設置や対面式キッチンへの交換、防音性の高い床への交換などが挙げられます。


住宅ローン減税を受けるための条件

住宅ローン減税を受けるためには、いくつかの条件があります。例えば、新築住宅の場合は、下記の要件をすべて満たす必要があります。

  • 住宅の新築等の日から6ヶ月以内に居住していること
  • 控除を受ける年末時点で居住していること
  • 床面積が50㎡以上でかつ床面積の2分の1以上を居住用としていること(一部の住宅は40㎡以上50㎡未満で適用可)
  • 住宅ローンの返済期間が10年以上あること
  • 2以上の住宅を所有している場合は主な居住用住宅であること
  • 生計を一にする親族や特別な関係のあるものからの取得でないこと
  • 贈与による住宅の取得でないこと

認定長期優良住宅などの住宅ローン減税も把握しよう

住宅の種類を大きく分けると「認定住宅」「ZEH水準省エネ住宅」「省エネ基準適合住宅」「一般の住宅」の4種類になります。「認定住宅」に該当するのは、「認定長期優良住宅」と「認定低酸素住宅」の2つです。

住宅の種類によって、住宅ローン減税の借入限度額が異なるため、自分の購入する物件がどの区分に該当するかをあらかじめ確認しておきましょう。表で比較して見ると、以下の通りです。

区分 2022年〜2023年 2024年 2025年
子育て世帯・若者夫婦世帯 一般の世帯
長期優良住宅・低炭素住宅 5,000万円 5,000万円 4,500万円 4,500万円
ZEH水準省エネ住宅 4,500万円 4,500万円 3,500万円 3,500万円
省エネ基準適合住宅 4,000万円 4,000万円 3,000万円 3,000万円
一般の新築住宅
(その他の住宅)
3,000万円 0円 0円 0円
  • ※ 2023年中に建築確認を受けている場合は2,000万円

先述のとおり、2024年度に住宅を購入する場合は、子育て世帯・若者世帯に該当するかどうかで、住宅ローン減税の借入限度額が変わってくるため注意しましょう。


ふるさと納税と住宅ローン減税は併用できる?

ふるさと納税と住宅ローン減税は併用できます。これらの制度はどちらも税金を控除する制度ですが、控除の仕方が異なります。

住宅ローン減税では、原則として所得税から先に控除を受けられ、控除額が所得税額を超えた場合に超過分を住民税からも控除します。一方、ふるさと納税では、確定申告を行うと所得税と住民税の両方から控除が受けられ、ワンストップ特例制度を利用すると翌年の住民税から控除を受けられます。

つまり、ワンストップ特例制度を利用してふるさと納税を行う場合は、住宅ローン減税に影響することなく両方の控除を適用できます。

しかし、住宅ローン減税の1年目は確定申告が必須となるため、ワンストップ特例制度は利用できません。そのため、ふるさと納税による控除が住宅ローン減税より優先されることで、住民税からの控除上限を超えることで控除額にロスが出る可能性があります。


中古マンションでの住宅ローン減税適用可否

中古マンションを購入した場合も、住宅ローン減税は適用できます。ただし、中古住宅を購入して住宅ローン控除を受ける場合は、新築住宅の適用要件に加えて以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

  • 昭和57年1月1日以後に建築されたものであること
  • 耐震基準に適合する住宅であること

また、中古住宅を購入した場合の借入限度額、控除期間等は下記のとおりです。

区分 2022年〜2025年
長期優良住宅・低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅 3,000万円
その他の住宅 2,000万円

住宅ローン減税のための手続きと必要書類は?

住宅ローン減税は、住宅ローンを借り入れするだけで適用を受けられる制度ではありません。ここでは、住宅ローン減税を受けるための手続きおよび必要書類について解説します。


入居した年の翌年の確定申告が必要

住宅ローン減税を受けるための手続きは、入居した年の分と2年目以降の年の分で手続きの方法が異なります。初年度は、住宅を取得して入居した翌年の2月16日~3月15日(該当日が休日の場合は翌営業日)までの間に確定申告をしなければなりません。
確定申告書に必要書類を添えて、住所地を管轄する税務署への提出が必要です。一般的な必要書類は、以下の通りです。

【初年度分の住宅ローン減税の必要書類】

  • 確定申告書(税務署で給与所得者はA表、その他の所得がある場合はB表を入手)
  • (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書(税務署)
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(金融機関から送付)
  • 取得した住宅の登記事項証明書(法務局)
  • 売買契約書の写し、建築請負契約書の写しなど
  • 耐震基準適合証明書、建設住宅性能評価書の写し、既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約に関する付保証明書など(中古住宅の場合)
  • 勤務先の源泉徴収票(給与所得がある場合)
  • マイナンバーカード(通知カード)
  • 入居時期に関する申告書兼証明書(新型コロナウイルス感染症の影響により入居が遅れた場合)
  • ※ 認定住宅新築等特別税額控除を受ける場合には、「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」に代えて「認定住宅新築等特別税額控除額の計算明細書」とそれらを証明する書類などが別途必要になります。
  • ※ 源泉徴収票の提出は不要となりましたが、確定申告書を作成するときに必要です。

会社員・公務員であれば2年目以降は年末調整を

会社員や公務員といった給与所得者の場合、2年目以降は勤務先の年末調整で手続きできるため、確定申告は不要です。一方で、自営業など年末調整の対象にならない方などは、続けて確定申告を行う必要があります。

【2年目以降分の住宅ローン減税の必要書類】

  • 年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書 兼 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書(税務署から送付されたもの)
  • ※ 自営業者などで年末調整の対象とならない方は、「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書(付表が必要な場合は付表を含む)」となります。
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(金融機関から送付)

まとめ

令和6年の税制改正によって、住宅ローン減税の制度が見直され、子育て世帯や若者夫婦世帯における借入限度額の引き下げ見送りや新築住宅の床面積要件の緩和措置の延長などが決定されました。

住宅ローン減税を受ける初年度は確定申告が必要になるため、必要書類も多く手間がかかります。しかし、必要書類を事前に準備しておけば、手続きは決して難しいものではありません。上手に活用して申告漏れがないように制度内容や手続き方法はしっかりと押さえておきましょう。

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