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住宅ローンの手数料とは?保証料とあわせてチェックしよう

住宅ローンを組む場合は、利息以外にもさまざまな諸費用の支払いが必要です。そのため、事前に諸費用がどれだけかかるか確認し、できるだけ抑えるようにしましょう。

諸費用の中でも、しっかりと確認しておきたいのが手数料です。手数料は、金融機関によって設定が異なるため、うまく選べば諸費用を抑えられるかもしれません。本記事では、住宅ローン手数料の設定方法を紹介しつつ、自分に合う選び方などを説明していきます。


目次

  1. 住宅ローンの手数料とは?
  2. 手数料の設定は大きく分けて2つ
  3. 手数料は保証料とあわせてチェックすることが大事

住宅ローンの手数料とは?

住宅ローンの手数料とは、住宅ローンを契約する際にかかる諸費用のひとつで、金融機関に支払う費用を指します。金融機関によって、「事務取扱手数料」「融資手数料」「融資事務手数料」など、呼び方はさまざまですが、徴収する目的は同じです。

住宅ローン手続きにかかる費用として金融機関が自由に設定しているため、「どの金融機関のどのタイプを選ぶか」によって、支払う金額がまったく異なる可能性があります。なお、本記事では契約時にかかる手数料を「事務取扱手数料」として記載していきます。


手数料の設定は大きく分けて2つ

事務取扱手数料は、大きく分けて「定額型」と「定率型」の2つです。それぞれの違いや特徴を確認しておきましょう。


金額が一律の「定額型」

定額型タイプは、借入金額にかかわらず事務取扱手数料の金額が一定に設定されています。例えば、借入金額が1,500万円でも3,000万円でも同額の事務取扱手数料を支払います。

そのため、借入金額が大きくなる人にとっては得に感じる一方、借入金額が少額の人にとっては損に感じるかもしれません。なお、事務取扱手数料の金額は金融機関ごとに異なります。


借入金額によって手数料額が変わる「定率型」

定率型タイプは、借入金額に一定率を乗じて事務取扱手数料の金額が計算されます。「借入金額×○%」と率自体は一定ですが、借入金額が大きくなるにつれて支払う事務取扱手数料の金額も上がります。

そのため、定額型の場合とは逆に、借入金額が少額の人にとっては得に感じるかもしれません。どちらのタイプが良いかは、借入金額に対する損得だけで決めるのは難しいでしょう。次の段落で、他にも確認しておきたい内容について紹介します。


手数料は保証料とあわせてチェックすることが大事

住宅ローンの手数料は、金融機関に支払う事務取扱手数料だけでなく、保証会社に支払うケースもあります。金融機関によっては、保証料と事務取扱手数料を組み合わせてプラン設定しているところもあるため、チェックしてみましょう。

保証料は、住宅ローン契約者が保証会社と保証契約を結ぶ際にかかる費用で、保証会社に対して支払います。保証を受けることで、万一、住宅ローンの契約者が返済できなくなった場合、保証会社が代わりに住宅ローンの残った債務を金融機関に対して一括返済(代位弁済)してくれます。

どのプランを選ぶかで、住宅ローンの借入初期に支払う諸費用額はもちろん、返済期間中に支払う金額が変わる可能性もあります。どれが良いかは、それぞれの経済的な状況や今後のマネープランにもよるため、一概にはいえません。

しかし、保証料と事務取扱手数料を合わせて費用がどのように変わるかを見積もりながら住宅ローンを選んでください。


事務取扱手数料型

一般的に、事務取扱手数料型は、事務取扱手数料(金融機関および保証会社)だけ徴収し、保証料は不要とするタイプです。例えば金融機関への事務取扱手数料が「借入金額×2.2%」の定率型として計算すると、金融機関への事務取扱手数料は66万円となります。

借入時にまとまった支払いが必要になりますが、低金利で長期間借りて、毎月の返済額を抑えたい人には向いているでしょう。

保証会社を利用しない金融機関の場合は、保証会社に対する事務取扱手数料・保証料のどちらも支払う必要がありません。


保証料一括前払い型

一般的に、保証料一括前払い型は、金融機関事務取扱手数料はかかりません。ただし、借入時に一括して保証料の支払いが必要になります。保証料は、借入金額および借入期間で決められています。

金融機関事務取扱手数料がないものの、借入全期間分の保証料を一括で支払ううえに、保証会社に対する事務取扱手数料は必要です。そのため、借入時の初期費用が大きくなります。

ただし、繰り上げ返済をすると保証料の一部が返還されるため、早めに繰り上げ返済を検討している人に向いているといえるでしょう。


保証料金利上乗せ型

保証料金利上乗せ型は、保証料分を金利に上乗せし、借入初期に金融機関事務取扱手数料および保証料を支払わないタイプ。「適用金利に0.2%上乗せ」などといった金融機関が多いです。

初期費用を抑えられる点はメリットですが、他の2つのタイプに比べて毎回の返済額がより大きくなる点はデメリットです。それでも初期費用を抑えたい人には、向いています。

なお、借入金額が大きく、借入期間が長いほど返済額の差が大きくなるため、事前にしっかりとシミュレーションしてください。


繰り上げ返済手数料

繰り上げ返済手数料とは、借入残高を前倒し返済(繰り上げ返済)することで必要となる手数料です。手数料の有無は、金融機関によって異なります。繰り上げ返済と一口にいっても「一部繰り上げ返済」「全部繰り上げ返済」の2つがあるため、それぞれの場合で確認しておきましょう。

先に紹介した保証料一括前払い型の場合、一般的に繰り上げ返済をすると保証料が返還されます。ただし、金融機関によっては保証料を返戻する手続きに手数料がかかる場合もあるため、注意が必要です。

繰り上げ返済による早期返済を見込んで保証料一括前払い型を選びたい人は、これらの手数料の有無も押さえておきましょう。


条件変更手数料

繰り上げ返済手数料以外にも、契約条件を変えることで保証会社に対する事務手数料がかかる場合があります。例えば、以下のような内容です。

  • 保証期間の短縮(または延長)
  • 担保の変更
  • 離婚に伴う免責的債務引受など

その他手数料

その他にも、例えば住宅ローンの返済口座と給与口座が異なる場合などで、毎月の返済資金を移動させるための手数料(振込手数料など)があります。金融機関によっては無料のケースもありますが、住宅ローン控除を受けるために必要な残高証明書の発行依頼手数料が有料となるケースもあるため、確認しておきましょう。

その都度かかる手数料は少額でも、積み重なると大きな支出となる可能性もあります。できるだけ、このような手数料を支払う必要のない金融機関を選ぶのがおすすめです。


まとめ

住宅ローンの手数料には、いくつかのタイプがあり、どれを選ぶかによって完済までにトータルで必要となる手数料額が変わってきます。もちろん、金額だけで住宅ローンの良し悪しを決められるものではありません。

しかし、できるだけ負担の少ないタイプを選ぶようにしましょう。手数料の負担を抑えるためには、長い返済期間中にできるだけ手数料がかからない金融機関を選ぶのがおすすめです。

◆氏名
續 恵美子(つづき・えみこ)

◆保有資格
日本FP協会認定CFP(R)

◆プロフィール
生命保険会社にて15年勤務した後、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指し退職。その後、縁があり南フランスに移住。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金について伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。

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